〜「話しにくいこと」こそ、早めに話しておこう〜
家族の仲がよくても、相続(そうぞく)の話になると、
ちょっと空気が重くなることってありますよね。
「お金の話はしづらいし、まだ早いかも…」
「兄弟で意見が合わなかったらどうしよう」
そんなふうに思って、つい話すのを後まわしにしてしまう方は多いです。
でも実は、“今”だからこそ、話しておくことが大切なんです。
目次
もめごとは「悪い人がいるから」起きるわけじゃない
相続のトラブルというと、「誰かが欲張ったから起きる」と思う人もいます。
けれど、実際にはそうではありません。
多くの場合、**「話していなかった」「思いが伝わっていなかった」**ことが原因です。
たとえば、
- 「この家は誰が住むのか」
- 「預金はどう分けるのか」
- 「介護をがんばった人には少し多く渡したい」
こんなことを、亡くなってから話し合うと、
気持ちがすれ違ってしまうことがあります。
だからこそ、元気なうちに話しておくことが、
いちばんの“もめない準備”なんです。
「まだ元気だから大丈夫」と思う今こそチャンス
親が元気なうちに、少しずつ将来のことを話しておくのがおすすめです。

でも、「遺産(いさん)」や「お金」という言葉を出すと、相手がびっくりしたり、遠慮したりすることがあります。言い出しにくいな・・・と思うのですが、何か良い伝え方はないですか?
そんなときは、こんな言い方をしてみましょう。
たとえば
「最近、友だちの家で相続の話があったんだって。」
「うちももしもの時に慌てないように、ちょっと話してみない?」など

「お金の話」ではなく、「家族を守る話」として切り出すと、
自然に話が進みやすくなります。
遺言書を作っておくと安心
もめごとを防ぐために、いちばん効果的なのが**遺言書**です。
遺言書があると、誰が何を受け取るのかがはっきりわかります。
家族も「お父さん(お母さん)はこう考えていたんだ」と納得しやすくなります。
最近は、自分で書く**自筆証書遺言**を、
法務局に預けておける制度もあります。
火事や紛失の心配がなく、手軽に残せるようになりました。
たとえば
- 「この家は長男に住んで欲しい」
- 「お金は3人で平等に分けてね」
そんな気持ちを、手紙のように書き残せます。
遺言書を作るのは、「財産のため」だけではありません。
「家族が争わず、仲良くいてほしい」という想いを伝えるためでもあります。
📘関連記事:遺言書(自筆証書遺言)のつくり方
話し合いのコツは「ありがとう」と「気持ち」
相続の話をするときは、つい“数字”に目がいきがちです。
でも、いちばん大切なのは「気持ちの部分」です。
たとえば
- 「介護をがんばってくれたことに感謝している」
- 「兄弟みんなで仲良くしてほしい」
- 「お父さんとお母さんの思い出の家を大切にしてほしい」
こうした言葉を添えるだけで、話の雰囲気がぐっと変わります。
ゴリラん先生のワンポイント
- “感謝を伝える相続”ができたら、家族の絆はもっと強くなりますよ。

専門家に相談してみよう
「家族だけで話すのはむずかしいな…」と思ったら、
専門家に入ってもらうのもおすすめです。
司法書士や行政書士、税理士などは、
家族の気持ちに寄り添いながら、法律や税金の面からサポートしてくれます。
たとえば
「このままだとトラブルになりそうで心配…」
→ 相談すると、どんな手続きや書類を準備すればいいか教えてもらえます。
第三者が入ることで、冷静に話し合えるようになるケースも多いです。
まとめ
家族がもめないようにするいちばんの方法は、
「思いを言葉にして残すこと」
それは、今すぐに全部を決めることではなく、
「少しずつ話してみる」「メモを残す」「相談してみる」――
そんな小さな一歩でいいんです。
そして、その一歩が、
大切な家族を守る“いちばん優しい相続”につながります。
ゴリラん先生からひとこと
- 家族の“ありがとう”が聞ける相続が、いちばん幸せなんです。
そのために、今日から少しずつ話していきましょうね。

